スポーツ外傷(足首)

- update更新日 : 2022年04月19日
folder施術レポート
Nさん。高校2年・男子。野球部所属。
約4ヶ月前、練習中に大きく転倒し、右足首を痛める。詳しくは、右足首を内返し(底屈+内反)の状態で、その上に全体重が乗り、負傷。
 
整形外科で検査したところ、骨や靭帯に異常なし。整形外科的な物理療法、湿布などを続けてみたが、足首を内返しにした時と、足部を外転したときの痛みは改善しない。もちろん、部活動で走るのも痛いので、練習量をセーブせざるを得なかった。
 
改善が見られないまま、4ヶ月が経過した頃、当院に来られる。

初回の施術

足首を内返しにすると、足首の内側に痛みが出るが圧痛点は見つからなかった。また、足部を外転すると足部の内側に痛みが出るが、これも圧痛点を見つけることはできなかった。
 
右の骨盤の後下方変位をブロックにて矯正。
第3腰椎矯正。
呼吸を制限している心膜をリリース。
頚椎矯正。
右股関節ジャミング(圧着し、適正な可動性が失われている状態)をリリース(解放)。
右脛骨の内旋制限を矯正。
 
ここまでの過程ではまだ足首を内返し、足部外転した時の痛みに変化はみられない。
 
そこで、足首と足部の独立した問題であると捉え、足首、足部を検査する。距骨と舟状骨間の関節がフィクセーション(関節の固定化)を起こしていた。これが原因ではないか?
 
このフィクセーションの矯正を行うが、なかなか解放されない。まるで完全に癒着しているかのようだ。改善がみられないまま、初回の施術を終える。

2回目の施術

足部の骨の解剖図

まずは、前半で初回と同様の施術を行った。足首の内側と足部の内側に圧痛点がないか、もう一度精査してみる。すると前回は指で押しても痛くなかったのだが、今回は3箇所、つまり足首の内側では後脛骨筋の腱と前脛骨筋の腱に、そして足部の内側では、短母趾外転筋に圧痛が見つかった。
 
恐らく負傷してから約4ヶ月も経過していたため、体がそれに順応し、痛みはあるのだがそれをぼんやりとしか感じることができなかった。そして初回の施術で潜んでいた痛みが表面に浮上してきたものと思われる。
 
そこで、前回の施術に加え、後脛骨筋の腱、前脛骨筋の腱、短母趾外転筋のカウンターストレイン(筋トーヌスと閾値を正常に戻す施術)、さらにテーピングを行った。この施術で、足首の内返し、足部の外転での痛みが半分以下に軽減した。
 
これで、日常生活には支障はなくなったが、やはり部活動で走ったりすると症状が再発するので、3日おきくらいに通ってもらった。

3回目以降の施術

3回目以降は、足首の内部に溜まっている“痛みのエネルギー”を解放する「Vスプレッド」も加えた。そして初回では全く歯が立たなかった距骨と舟状骨間のフィクセーションも徐々に解放されてきた。
 
6回の施術を終える頃には、ほぼ負傷する前の状態に戻ることができた。テーピングもほぼ必要のない状態にまで改善した。
 
これからますます練習量が増え、また試合も始まるので、メンテナンスとして定期的に来院されるようお願いした。
(※あくまで結果には個人差があり、効果を保証するものではありません。)