腰痛1

- update更新日 : 2022年04月19日
folder施術レポート
大学2年生のSさんが、腰痛と下肢のしびれを訴え、お見えになった。
 
高校時代から部活動で球技をされており、高校2年の時、初めて腰痛が発症。整骨院で骨盤を矯正してもらい、一度は症状が軽減。受験のため、一時期球技をしていなかった時は症状は治まっていたが、大学に入り球技を再開し、1年生の夏に腰痛再発。最近痛みが激しいため、練習はセーブしている。
 
詳しい症状としては、
 
1時間以上坐っていられない。
3時間以上立っていられない。
長座で壁にもたれて坐った状態で大腿を内旋させようとすると、腰痛が悪化し、できない。   
横になっているときは、楽。 

初回の施術

検査

姿勢の検査では、立位でわずかに前後の揺れがある(カテゴリーⅠの可能性あり)。
内臓に腹部から触れて検査するが正常。
SLR(椎間板ヘルニアの検査):仰向けで症状のある右下肢を持ち上げていくと、約50度で右殿部から大腿後面にかけて疼痛が出現。
ダラーサイン(右+)
クレストサイン(右+)
ヒールテンション(-)

施術

カテゴリーⅠブロック。
ヘルニアの可能性もあると考え、ダッチマンロールを用い牽引。
左右腰方形筋 カウンターストレイン(筋肉に対する施術方法)。
左右腰部起立筋 カウンターストレイン
 

結果

カテゴリーⅠブロックと牽引で、SLRの角度が60度以上、上がるようになった。しかし壁にもたれて大腿を内旋する時の痛みは変わらず。左右腰方形筋、左右起立筋に対するカウンターストレインを行い、いくらか内旋できるようになった。

2回目の施術

4日後来院。90分の講義にそれほど腰が痛くならず、坐っていられたとのこと。またコンビニの3時間のアルバイトも痛みは出るが、軽減しているとのこと。
 

施術

カテゴリーⅠブロック
牽引なし(ヘルニアではないため)
左右腰方形筋と起立筋 カウンターストレイン。    

結果

痛みは軽減してきているが、長座で壁にもたれ大腿を内旋すると激痛が走るのは変らない。但し痛い箇所が変ってきており、今の時点で一番痛いのは右のPSIS(上前腸骨棘)の下縁とのこと。ここは次回診ることになった。 

3回目の施術

4日後ご来院。長時間坐っているのも立っているのも、ほぼ支障ないが、長座での大腿の内旋だけがどうしても痛いとのこと。

施術・結果

右PSIS(上前腸骨棘)の下に圧痛あり。これが大腿内旋の際の痛みの箇所と一致するようだ。カウンターストレイン(筋に対する施術)を行うが、痛みが軽減しないため、トリガーポイント療法に切り替えた。
    
まず仰臥位でトリガーポイント療法を行い、大腿を内旋をしてもらった。いくらかしやすくなったがまだ痛みの大半は残っているとのこと。
 
今度は腹臥位で再度トリガーポイント療法を行い、内旋を試してもらった。すると先ほどより随分内旋出来るようになっており、痛みも大幅に軽減しているとのこと。 

考察

高校2年の時の腰痛(を引き起こしていた骨盤や腰椎の異常)が完全に回復しておらず、その状態で部活動を続けていたので慢性化し、複雑な状態になっていたようだ。
  
骨盤の歪みが残っていたため、周囲の筋がそれをカバーしようとして長い期間、過度の緊張を強いられていたものと思われる。こうなるとカテゴリーⅠのブロックを使った施術だけではなかなか症状は回復しない。異常を起こしている骨盤周囲の筋の状態を正常に戻す施術が必要となった。
   
フルに練習できるレベルまでの回復までにはもう少し施術を続ける必要がありそうだ。
(※あくまで結果には個人差があり、効果を保証するものではありません。)