ブティックの店員さんや警備員さん、介護士さんなど、長時間の立ち仕事の方に多く見られる症状が「足底(足裏)の痛み」です。
人の足には、縦のアーチと横のアーチというものがあります。足底の痛みを訴える方のほとんどは、これらのアーチがつぶれて(つぶれかけて)しまっています。つまり偏平足に近い状態になっています。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
ケース1 縦のアーチの偏平化
縦のアーチには内側縦アーチと外側縦アーチがありますが、ここでは特に問題を起こしやすい「内側縦アーチ」について取り上げてみます。
内側縦アーチは、いわゆる「土踏まず」を形成しているアーチのことです。長時間の立ち仕事により、足底を支える筋肉が極度に疲労し、足底の骨(舟状骨や楔状骨など)を支えることができなくなり、これらの骨が床側に落ち込んでしまいます。これが足底が痛くなる原因です。
足底の骨を支える筋肉は、ふくらはぎにつながってるので、ふくらはぎにも激しい痛みが起こります。
骨が床の方に落ち込んでいるので、足の裏をいくら揉んでもさすっても症状は改善しません。
カイロプラクティックでは、まず落ち込んでしまった骨を元に戻す矯正を行い、内側縦アーチを取り戻します。そして疲労して弱くなった筋肉の強度を正常化させて、自力で体重を支えられるような調整を行います。症状が強い場合は、テーピングで補強します。
これら施術を数回繰り返せば、足底だけでなく、ふくらはぎの痛みも徐々に改善していきます。
自宅でできるエクササイズとしては、青竹踏みをお勧めします。1日に5分でも10分でも、ただしできるだけ毎日日課として続けてみてくださいね。
それから、タオルを床に置き、それを足の指で掴んで持ち上げては放す(これを繰り返す)、というエクササイズも足底の筋肉を鍛える方法としてとても有効です。
これらのエクササイズを試したけれどなかなか改善に至らないという方は、当院にお気軽にご相談ください。
ケース2 横のアーチの偏平化
横アーチがつぶれるケースも多々あります。つま先立ちやハイヒールを日常的に履く人に多く見られます。横のアーチがつぶれると、足の指の付け根の底の部分に痛みが生じます。
横のアーチを支えている母趾(ぼし)内転筋が疲労して弱くなり、本来なら床から浮いているべき第2~4中足骨頭が床の方に落ち込んでしまいます。
つまり、横のアーチを保てなくなります。
これが足の指の付け根の底の部分が痛くなる原因です。
当院の整体、カイロプラクティックでは、床の方に落ち込んでしまった第2~4中足骨頭を本来の「床から浮いている」状態に戻す矯正を施します。第2~4と書きましたが、実は第1、つまり親指の矯正をきちんと行わないと、第2~4の指も正常になりません。
ですので、まずは親指の矯正から行い、順次第2から第4の指までの矯正を行います。そして弱化した母趾内転筋の強度を元に戻す調整を行います。症状が強い場合は最後にテーピングで補強します。
これらの施術を数回繰り返せば、徐々に痛みは改善していきます。
注意点としては、
- できるだけヒールの高い靴やつま先の高い靴を履かないこと。
- できるだけつま先立ちや蹲踞(そんきょ)の姿勢は避けること。
これらのことを意識してみてください。
以上、足底の痛みの原因と対処法について説明させていただきました。皆様の日常にお役に立てれば幸いです。
参考資料
「カパンディ 関節の生理学Ⅱ 下肢」