背中に張るような痛みを訴える男性 ─ T様(30歳・男性・会社員)
Tさん(30歳・男性・会社員)は、数年前から背中、特に腰の上あたりに強い張り感と痛みを感じ、悩まされていました。
Tさんが痛みを訴えている部位は、「胸腰移行部」といって腰と背中の中間くらいの部位を指します。
姿勢を観察したところ、この胸腰移行部が後方にせり出してきているので、デスクワークによる不良姿勢が原因と思われます。つまり、坐っているときに胸腰移行部を丸めているようです。
Tさんに確認すると確かにそのように坐っているとのことです。
まずは筋肉の緩和操作
元々、筋力トレーニングのためジムに通っていたようなのですが、このところコロナ禍のためジムに行けていないとのこと。自宅で自重を使った筋トレをしているものの、やはり以前に比べて運動不足気味とのことです。
そのため脊柱周辺の筋肉がパンパンに張って非常に硬くなっており、いきなり矯正してもきっと十分な矯正はできないと判断しました。
従いまして、まずは筋肉の緩和操作。要するに「ほぐし」と言っても良いかもしれませんが、筋肉の緩和を先に行います。その方が背骨を矯正するときに筋肉が邪魔をしないためです。
当院の緩和操作はマッサージというわけではなく、筋膜リリース、関節のモビリゼーションを組み合わせた技術であり、当院オリジナルのものです。もちろんこれまで私が学ばせていただいた技術も組み合わせています。
この緩和操作だけでも症状はかなり軽快します。
次にメインとなる背骨の矯正
筋・筋膜が十分にほぐれたところで、いよいよ背骨の矯正です。
Tさんの場合、第7胸椎~第2腰椎に渡って、広範囲で背骨が後方に出てきています。
※実際には後方に出てきているのではなく、正確には後方から押圧したときに前方への動きがない状態となっています。
これらの脊椎に対して、後方から前方への動きがスムーズになるよう矯正を行います。
次に背骨だけだと不十分なので、背骨から左右に広がっている肋骨も矯正します。
初回の施術はこれで終了です。
Tさんに立っていただいて、背中の状態を確認していただいたところ、パンパンだった張り感もなくなり、非常に快適だとの感想をいただきました。
最後に姿勢についてのアドバイスをさせていただきました。
2回目は動体療法も追加
2回目は2日後にお越しいただきました。
前回の施術の後、やや好転反応があったようですが、本日は比較的快適に仕事ができたそうです。
今回は初回の施術にプラスして「動体療法」のテクニックを追加してみました。
症状を訴えている部位の筋膜をもう少し確実にリリースしておきたいのと、椎間板に適度な間隙をつくり可動域をアップさせたいと考えたからです。
施術後立っていただき、体幹を後ろに反らしていただきました。すると、
「こんなに後ろに反らせたことはなかった。今は無理なくかなり反らせます。」と喜んでくださいました。
最初のうちはまだ元の悪い状態に戻ろうとするので、もうしばらく間隔を空けずに施術を受けられることをお勧めしました。
(※あくまで結果には個人差があり、効果を保証するものではありません。)