胸郭出口症候群

- update更新日 : 2022年04月19日
folder施術レポート
Tさん・男性・28歳・会社員。両腕、特に右腕に力が入らない、という症状でお見えになった。
その他の症状としては、首の痛み、頭痛、ふくらはぎの張り、など。

検査&施術

腕がしびれる男性

腕に力が入らない、ということなので、まず頚椎ヘルニアの検査、マキシマム サービカル コンプレッション テストを行うが、これは陰性。
 
続いて、胸郭出口症候群の検査を行う。胸郭出口症候群には、斜角筋症候群、過外転症候群、肋鎖症候群の3種類がある。
 
斜角筋症候群の検査、アドソン テストでは、陰性。過外転症候群の検査、ライト テストでは、脈の減弱のみを示し、偽陽性。肋鎖症候群の検査、コストクラヴィクラー テストでは、脈の減弱、および、しびれが出現したため、肋鎖症候群であると診断。
 
肋鎖症候群とは、腕に行く神経と動脈が肋骨と鎖骨との間で圧迫され、しびれや知覚異常、放散痛、などを引き起こす疾患である。であるため、肋骨と鎖骨の間を離開し、神経と動脈の圧迫を取り除く施術を行う。
 
さらに、なで肩も症状を助長する原因となりうる為、なで肩の原因になっている猫背の矯正も行った。
 
これらの施術後、右手の力の入り具合を確認してもらった。施術前より、随分と力が入るとのこと。初回の施術はこれで終了。

2回目以降の施術

2回目は1週間後に来ていただいた。症状が少しずつ元の悪い状態に戻っているとのこと。そこで、もう一度前回と同様の施術を行ってみた。施術をした後は、随分力が入りやすくなった。
 
3回目は約10日後に来ていただいた。やはり時間の経過とともに、症状が戻ってしまうとのこと。今までと同じ施術をしても、すぐに元に戻ってしまうのであれば意味がない。
 
日常的に何か原因となる問題があるのではないか?通常、胸郭出口症候群は、日常的に重い荷物を持ったり、調理師やギタリストのように腕を酷使する作業の人に多いが、Tさんについてはそれに当てはまらない。
 
他に何か原因はないだろうか?色々と質問をしてみると、日常的にうつ伏せで本を読むことが多いことが分かった。もしかしたら、この体勢のため、鎖骨が肋骨に押し付けられて、神経と動脈の圧迫を引き起こしていたのではないだろうか?
 
前回までと同様の施術を行い、うつ伏せでの本読みを控えるよう注意した。
 
4回目は1週間後に来ていただいた。前回での注意事項を守るようになってから、症状は出にくくなってきたようだ。まだ完全ではないが、もうしばらく施術を続ければ全快するだろう。
(※あくまで結果には個人差があり、効果を保証するものではありません。)