今春、晴れて大学に入学したK君が、腰の不調を訴えてお見えになりました。具体的には、仰向けで寝ると仙骨底がベッドに当たって痛みと違和感があるのと、立位で腰を反らすと痛みが出ます。この症状はかれこれ半年くらい前から続いており、どうやら毎日長時間、受験勉強をしていたからではないかとご本人は言います。どのような姿勢で勉強していたかというと、椅子と机を使ってはいたが、椅子の上でどうやら“あぐら”をかいていたそうです。
施術
右足が7~8mm短くなっており、骨盤を触診すると左右で少し捻じれていたので、これを骨盤ブロックで矯正。仙骨がやや後下方変位を起こしているので、仙骨底を前上方へ矯正。これで、仰向けになっても仙骨底がベッドに触れることはなくなりましたが、腰の違和感自体はまだ依然として残っているとのこと。
仰向けで違和感が出るということは、仰向けでテンションがかかり過ぎている筋肉があるのではないか?腸腰筋(腸骨筋)と大腿四頭筋は股関節の屈曲筋ですので、仰向けでは逆に引き延ばされます。これらの筋肉に原因があるのではないか?
腸腰筋(腸骨筋)に触れてみると案の定、緊張して硬くなっています。そこで腸腰筋をストレッチして緩めて、再度仰向けになってもらうと、違和感は随分減ったようです。予想通り大腿四頭筋も緊張しているのでこちらもストレッチ&リリースしてみると、仰向けでの違和感はほとんどなくなりました。
念のために仕上げとして、骨盤を固定しつつ、腸腰筋と大腿四頭筋を同時に弛緩させるテクニックを使い、仰向けになってもらうと、ようやく完全に違和感は消失しました。立位で腰を反らしても無痛になりました。
受験勉強で椅子の上で長時間あぐらをかいていたので、腸腰筋と大腿四頭筋が短縮してしまったようです。自宅でできる腸腰筋と大腿四頭筋のストレッチを指導させていただきました。
(※あくまで結果には個人差があり、効果を保証するものではありません。)