小殿筋の痛みで眠れない

- update更新日 : 2022年04月19日
folder施術レポート
大殿筋、中殿筋、小殿筋の解剖図

会社員(デスクワーク他)のYさん(32歳・女性)が、左右の小殿筋の痛みでお見えになりました。ここ半年くらい続いており、特に夜寝る時が一番つらいようです。

仕事内容はデスクワークがメインで、出張で飛行機や新幹線に乗ったり、歩き回ったりすることも多いそうです。またYさんは極度の猫背もあります。

ところで皆さんは「小殿筋」ってご存知ですか?大殿筋ならご存知だと思います。大殿筋の少し外側上方に中殿筋があり、外側の一部分を残し大半は大殿筋に覆われています。また小殿筋はその一部を中殿筋に覆われています。

大殿筋、中殿筋、小殿筋の順に内側から外側にかけて重なるように配列されています。小殿筋の働きは、中殿筋と協調して下肢を外転(大腿部を外側に開く)させる作用があります。

さて、Yさんの小殿筋の痛みはここ半年くらいで徐々に悪化しており、病院に行っても特に有効な処置はしてもらえなかったようです。

検査&施術

痛みを訴える部位(小殿筋の筋腹)を押圧してみると、圧痛があります。従って今回の症状は小殿筋の「トリガーポイント」が原因だと思われます。ただ、今のところ下肢まで放散するようなトリガーポイント特有の痛み(放散痛)はないようです。

しかし、小殿筋の特定のポイントだけが痛いのではなく、小殿筋の広い範囲、つまり「点」ではなく「面」で痛みを訴えるので、「筋スパズム(筋・筋膜の過剰な緊張)」を起こしていて、さらに筋肉の内部に老廃物が溜まっていて激しい痛みを起こしているものと思われました。

こうなると恐らく通常のトリガーポイント療法では症状の緩解には追いつかないと思われるので、小殿筋全体の「筋膜リリース」を行ってみました。筋膜リリースとは、緊張している筋・筋膜を適度にストレッチして解放し、痛みの原因となっている老廃物を流す施術法です。単に筋肉をストレッチするのではなく、筋と筋膜の癒着を剥がすように、直に目標の筋に接触して行います。

もちろん、小殿筋の筋膜リリースだけではなかなか良くなるものでもありませんので、骨盤の調整や猫背の矯正も行います。

そして現在

後から分かったことですが、Yさんは当院に初めてお見えになってから1ヶ月後に旅行を控えており、それまでに万全の状態にしたかったようです。結局1ヶ月の間に頑張って7回来られました。

小殿筋の痛みは徐々に薄らいでいき、最終的にはほとんど消失しました。さらに、当初とてもひどかった猫背も、見た目ではっきりわかるほどまっすぐになりました。

これで楽しみにしていた旅行を存分に楽しむことができるのではないでしょうか?
(※あくまで結果には個人差があり、効果を保証するものではありません。)

トリガーポイントの改善について