股関節の痛み ─ S様(56歳・女性・小学校教諭)

folder施術レポート

以前から首の痛みや腰痛で当院をご利用下さっているSさんが、今回は珍しく右の股関節の痛みでお見えになりました。

痛みの検査を行ってみると、次の動作で痛みを訴えます。

  • 四股踏みのような立ち方をする
  • 仰向けで膝を胸に近づけるように深く曲げる
  • 上記の体勢から、外側に大きく開きながら回す

施術

うつ伏せで脚長差を調べると右足が5mmほど短い。
腰椎をチェックしてみると、第1腰椎が左回旋変位を起こしており、こちらを矯正。
脚長差はそろったが、上記の痛みに関しては変化なし。

仰向けになり頚椎をチェックしてみると、第2頚椎が以前は左回旋変位を起こしていたが、今回は右回旋変位を起こしている。

珍しいなと思いながらこちらを矯正してみると、Sさんが「なんだか股関節が軽くなった気がする」とおっしゃるではありませんか!

そこで、最初にチェックした上記の痛みを誘発する動作を行っていただきました。すると、すべての動作において痛みなく動かせるようになっていました。

これにはSさんだけでなく、私も驚きました。

根本原因は頚椎だった!

股関節の痛みの原因として多いのは、下部腰椎(第4、5腰椎)の歪み、または股関節自体の歪み、周辺の筋肉の異常、などがあります。

先ほど第1腰椎の矯正は行ったものの、これらの部位に関してはまだ施術を行っておらず、首の次にチェックするつもりでした。

これは思わぬ収穫でした。ロベットブラザーの法則

昔、私のカイロの先生から教えていただいた「ロベットブラザーの法則」というものを思い出しました。つまり、

第5腰椎がゆがむと第1頚椎がゆがみ、

第4腰椎がゆがむと第2頚椎がゆがみ、

第3腰椎がゆがむと第3頚椎がゆがみ、・・・・・

というように、腰椎と頚椎のゆがみが対になってリンクするという法則です。

股関節が痛くなった原因は直接的には下部腰椎(今回の場合は第4腰椎)だったのですが、根本原因は第2頚椎にあったようです。根本原因を矯正してしまったので、第4腰椎を矯正することなく、股関節の痛みを解消することができました。

今回のようなことは、長い臨床経験上、あまり経験したことがなかったので私も驚いてしまいました。ロベットブラザーの法則をもう一度意識しながら施術に当たらなければと思わせていただけた症例でした。

Sさん、今回は貴重な体験をさせていただき、心より感謝しております。※あくまで結果には個人差があり、効果を保証するものではありません